民族の創出――まつろわぬ人々、隠された多様性

民族の創出――まつろわぬ人々、隠された多様性

 

 分厚い本だが、注が多すぎること以外は読みやすい。エミシやクマソの話は、補論だろう。

「民族」なる語は19世紀末の二ホンでつくられ、東アジアに広がった。しかし、その実体は曖昧で、定義もされず。

江戸時代までは、言語不通の列島。国語なる教科が登場するのは漸く1900年のこと。

明治初期の天皇巡幸と同じ頃、出雲国造が巡教し、賽銭を投げて拝まれた。後に政治家に転身したことに筆者は肯定的。

出雲は、博多と北陸を結ぶ海上交通の要所であり、新羅とも繋がっていた。

江戸時代までは交通の基本は海上と河川であり、陸上交通は補助的であった。

出雲で発見されたヒトデ型の四隅突出型古墳 は、ヤマトの前方後円墳より古い。