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イサの氾濫

イサの氾濫

 

 一回り下の作者なんだけど、確かにこういう<ザ・暴力>みたいな主人公には見覚えがある。やや強引に蝦夷に結びつけて現状否定に至る方法もキライじゃない。うみゅ、未来社がこういう本を出す時代なのか。クラス会のシーンは映像が浮かぶほど妙にリアルで、んなもん出たことない私のような人間でも「ほー」と思った。

 おめは、生ぎていいのせ。ニセモノだの、空っぽだの、役立たずだの、そんなものぁどんでもいい。人の目なんが知るが。反省もすな。身勝手でもなんでも、イヤなものはイヤど、思いっきり、叫べ。叫べ。

 イサの啖呵がシュプレヒコールのように沁みた。

両手を上げて椅子から立ち上がって大喜びする首相と都知事の間抜けヅラを見た瞬間、この国は人の痛みに寄り添わないのだ、という思いが、将司の胸に刻み込まれた。