ジゴロとジゴレット: モーム傑作選 (新潮文庫)

ジゴロとジゴレット: モーム傑作選 (新潮文庫)

 

 モームを読むのは実は初めてだが、意外とふつーの話だった。訳者が言うほどのもんではない。☆

・アンティーブの→有閑階級の肥大したマダム達のどーでもいい話。ショートドラマに翻案されそうだが、もっと血生臭くてもいいように思う。

・征服されざるもの→繰り返し欧州諸国で映画化されてるような内容の話。

キジバトのような声→新進作家とプリマドンナの憎悪のお話。美空ひばりみたいなもんだな。褒められると激怒するんだな。

・マウントドラーゴ卿→英国は階級社会だわさ、心理学も流行ってんだろーな。オチが図式的すぎるよね。

・良心の問題→これは無さそうであり得そうなお話。友情と恋愛で後者を選ぶも、女の凡庸さに耐えかねて殺害。ルアーブルギアナインドシナの対比も見事で、この本の中で一番よろしい。

サナトリウムスコットランドの療養所は男女同室なのか。まぁ一幕芝居の戯曲だな>入場無料じゃなきゃ誰も見ないけどね。何故結婚しなければ2,3年の命なのに、結婚したら半年の命になるのか???

・ジェイン→ある意味フェミ小説なのかな? 退屈ではあるけど。

・ジゴロとジゴレット→どっかで読んだような話だけど、悲劇的な結末を示唆しながら描かないのは作家のセンスかな。