谷崎の強靭さと芥川の脆弱さの違いを述べる。芥川が最も気にしていたのは,醜聞を語り合って「豚のように熟睡する公衆」であったと…。容赦なく愛欲生活に斬り込み,辛辣で面白い。

北原なる「不敬」兵の話は初めて聞いたけど,小説のように読めた。

日共検挙譚は,筆者の人物評がそれぞれ興味深い。

佐分利氏怪死は,現代にも通ずるこのクニの暗部を連想させる。

谷崎と佐藤春夫,さらに白秋を含めて,女性を巡る因果は面白い。

クートベの話はいろいろと興味深い。