女坂 (新潮文庫)

女坂 (新潮文庫)

 

 明治の権力者には妾が必須だったんかな? それも妻に妾を探させ選考させるという倒錯。久々に古女房を抱いたのは,民権壮士を拳銃で射殺した興奮の処理!!  須賀の美しさを「曇り日の桜のように翳らせている」とした作者の冴えは,妾の二番手!「白い桃のように花も枝も素っ気がな」い由美との百合関係にまで及ぶ。そして,息子の嫁の美夜(天性の娼婦)を抱く白川(・_・;) さらに孫たちまでの成長を描き,さすがに源氏を翻訳しただけあって,それぞれの個性と立場と性癖を細かく描き分ける筆者なのでありました。☆★