アイヌ学入門 (講談社現代新書)

アイヌ学入門 (講談社現代新書)

 

 ・アイヌと縄文人・オホーツク人・蝦夷との差異は初めて何となく解った。アイヌ内部でも,北海道アイヌ(さらに唐子・日ノ本・渡党に分かれる)・サハリンアイヌ・クリルアイヌ(北千島アイヌコロボックルのモデルとなったという)で文化・習俗の違いが生じた。

・モンゴルとの戦いは私は知らなかった。

沈黙交易は世界的に行われているが,アイヌとオホーツク人とのそれは疫病と関係が深いというのが筆者の説。

・北海道アイヌは埋葬が終われば二度と墓に詣でることはない。死者のケガレを極端に恐れる。これは縄文人やサハリンアイヌのような死者と共存する態度とは百八十度異なる。

アイヌの行進呪術は陰陽師の影響だというのが筆者の説。

・北海道アイヌだけが人形を作らなかった。

中尊寺金色堂の金箔には,日高の砂金が混じっている。修験者や陰陽師の暗躍なんて小説より奇なり。

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