居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化 (ちくま学芸文庫)

居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化 (ちくま学芸文庫)

 

 非常に読みやすい文章でした。☆☆

・関西の酒は荒いが,江戸に廻船で運ばれるうちに,まろやかになる。これを富士見酒というが,関西では何とわざわざ江戸から船廻しされた酒を呑む者もいたという。

・身分制社会の江戸時代には,もっぱら一人用の鍋が用いられたが,一つの鍋をつつき合って食べる小鍋立は,まず遊里の世界で生まれた。しかし,一家団欒なる鍋文化は明治以降のこと。

・盆は座敷や床几の上に置かれ,決してテーブル風・食卓風のモノの上には置かれない。

・酒の肴としては,ふぐ・あんこう・ねぎまなどの(今から見れば)高級なものから,湯豆腐・おから味噌汁・コンニャク田楽・芋の煮転ばしなど庶民的なものまで。しかし,ヴァリエーションには欠けるな~。