名作短編で学ぶイタリア語

名作短編で学ぶイタリア語

 

 初っ端の「こま娘」からして強烈である。王子が喋るこまに恋をする。やがてこまも18歳の娘の姿になる。意外にもハッピーエンドなんだが,要するに機械道具愛の引きこもり噺のわけですぐれて現代的。ベンニの爺婆噺も何やら道具化された感じだし,モラヴィアは安定の倦怠感。「奇跡の砂浜」のエロティシズムは今でも新鮮。パピーニのはカフカゴーゴリを読んでいるよう。「何かが起こった」はスリラー映画そのもの。老人と牝鹿の交歓(そして哀しい結末)を描くデレッダ。タブッキは政治犯との不思議な郷愁を綴る。最後のピランデッロは難解過ぎて断念でしたよ。☆☆★