怪奇探偵小説名作選〈4〉佐藤春夫集―夢を築く人々 (ちくま文庫)
- 作者: 佐藤春夫,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2002/05
- メディア: 文庫
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それにしても,段落の少ない文章だな~。筆者は色んなジャンルに精通した器用な人なのだろうな~。だから,文壇ボスにまでなったのだろうな~。
「指紋」はまさに麻薬耽溺ジャンキー小説? 「陳述」はチン述とメンゼスと象皮病(-_-;) 「オカアサン」は鸚鵡を鳥屋へ売る話。「アダム・ルックスが遺書」はギヨタン噺。「家常茶飯」はユーモア譚。「黄昏の殺人」はマヌカン・シナリオ。「奇談」は植民地小説。「山妖海異」は民俗学。「のんしゃらん記録」は絶望的未来SF小説。「小草の夢」はカストリ雑誌。「マンディ・バナス」はインドネシアの mandi (水浴)。「女人焚死」は猟奇自殺。「女誡扇奇譚」は廃港怪異譚。☆☆☆
港へ下りたら,ポリスマンに,幾らかを握らせて――それは多ければ多いほどいい――さて空を指しながら『彼処は何処だね?』ときてごらんなさい。(阿片窟を教えてくれますよ)
猟奇的という文字は自分が curiosity hunting の訳語として造語したのが,いつの間にかこういう風(煽情的にでかでかと興味本位に舞文する田舎新聞)に使われはじめたもので,最初そういう用法を予期しなかっただけに,それを見ると必ず腹立たしくなるのを禁じ得ない。