それにしても,段落の少ない文章だな~。筆者は色んなジャンルに精通した器用な人なのだろうな~。だから,文壇ボスにまでなったのだろうな~。

「指紋」はまさに麻薬耽溺ジャンキー小説? 「陳述」はチン述とメンゼスと象皮病(-_-;)  「オカアサン」は鸚鵡を鳥屋へ売る話。「アダム・ルックスが遺書」はギヨタン噺。「家常茶飯」はユーモア譚。「黄昏の殺人」はマヌカン・シナリオ。「奇談」は植民地小説。「山妖海異」は民俗学。「のんしゃらん記録」は絶望的未来SF小説。「小草の夢」はカストリ雑誌。「マンディ・バナス」はインドネシアの mandi (水浴)。「女人焚死」は猟奇自殺。「女誡扇奇譚」は廃港怪異譚。☆☆☆

港へ下りたら,ポリスマンに,幾らかを握らせて――それは多ければ多いほどいい――さて空を指しながら『彼処は何処だね?』ときてごらんなさい。(阿片窟を教えてくれますよ)

猟奇的という文字は自分が curiosity hunting の訳語として造語したのが,いつの間にかこういう風(煽情的にでかでかと興味本位に舞文する田舎新聞)に使われはじめたもので,最初そういう用法を予期しなかっただけに,それを見ると必ず腹立たしくなるのを禁じ得ない。