- 作者: 高橋哲哉
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/01/17
- メディア: 新書
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・内村は,日本国および東京市が,これほど罪深い存在であるがゆえに,天が,神が,これを罰したのだとする。そこで「犠牲」になった者,死者たちは,国民全体の「贖い」,償いのために死んだのだということになる。この死者たちの犠牲があって初めて,日本国と東京市民の罪が償われて,道徳が回復される。
そりゃあ,師匠の内村鑑三がこんなんじゃあ,有島武郎が不倫心中したくなるのもわかるというものだわ>ま,道連れは良くないけど…。
・近代文明や現代社会への批判は,そのために天罰を必要とするわけではない。そうした批判は,近代文明や現代社会が「犠牲」を生み出し続けることへの批判にならざるをえない…。
しかし,何やら空気を読み過ぎるキズナ社会では,犠牲の拡大再生産が続いていると思われる。
※沖縄については,野村浩也氏の論考に負うところが多く,殆ど異議はないです。