瓦礫の中から言葉を―わたしの<死者>へ (NHK出版新書 363)

瓦礫の中から言葉を―わたしの<死者>へ (NHK出版新書 363)


「あらゆる出来事は,あるいは,あらゆるスペクタクルは,必ず後のものに凌駕されていくのではないか。乗り越えられていくのではないか。だから,スペクタクルはスペクタクルなのではないか。それが,出来事というものの宿命ではないかと,心のどこかで感じたのです。3・11はその証しでもあります」の部分が一番印象に残った。そして,とりわけ折口信夫の「砂けぶり」と川端康成の「空に動く灯」を「奈落のなかの『爽快感』」と言い放つ辺りが最も心に響いた。