• 「新アラビア夜話」

新アラビア夜話 (光文社古典新訳文庫)

新アラビア夜話 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ロバート・ルイススティーヴンスン,Robert Louis Stevenson,南條竹則,坂本あおい
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/09/06
  • メディア: 文庫
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ふーみゅ,まさかミステリイ仕立てとは思わなんだ。でも,ちょびっとオモロかったのは最初の自殺倶楽部の話だけで,あとはげんなり>だってどいつもこいつも露骨な植民地主義者なんだもん(汗) 「この若いアメリカ人は共和国民だったが,遠ざかる馬車に向かって,敬虔な念で脱帽した」などという言い草は英文学が帝国臣民の文学であることを如実に示している(ちなみに私はGオーウェルを1行も面白いと思ったことがない,こんなヤツがアナーキストだ なんて冗談じゃねぇよバカ!)。「彼(ハリー)にとって,そもそも悪とは男の属性であるように思え,一人の優美な女性と毎日を過ごし,飾り立てや何かだけに気を遣っていれば良いというのは,人生の嵐の中で魔法の島に住むようなものだった」なる一文は,この作家,というよりこの社会の縮図ではあるまいか?