森鴎外読書まとめ◆

公費出張?で現地女性を孕まして捨てて精神病院送り…ってこりゃリッパな犯罪者じゃん>太田豊太郎 漢語調の文章は思わず朗読したくなりますが,エリスを「彼」と呼称してるのは,「彼女」というニホンゴが未だ確立されてなかったからなのだろうか?

Neugierde と自己辨護の御噺。「硬派は九州人を中心としてゐる」ここでいう硬派とはホモのこと。「…という美少年に特別な保護を加えてゐる」なんて関係はスールならぬフレールか? 寄宿舎で同室っつうのは中々に大変なものです。琴娘,給仕女,見合い…でも護った二十の「生息子」は,哀れ吉原 Astacidae に散ったのでした。独逸墺太利では「随分悪い事の限をした」が,今や「性欲の虎を馴らして抑へてゐる」。でも,「虎の怖るべき威は衰へてはゐない」と負けじ魂も見せてます。

  • 青年

谷中・本郷・神田…と馴染みの街が出てきます。「なんでも日本へ持つて來ると小さくなる。イプセンニーチェトルストイも」と漱石の口を通じて語られる。主人公山口県生まれの小泉純一(なんつう名前だw)は美少年です。情事のことを「閲歴」っていうんだ。坂井れい子は有閑エロマダムの初期典型か?(´Д`;)ハァハァ …と,まぁ,ここまで読んだとこで,NHK第二ラジオで朗読が始まった>何という偶然!>でも読み方が巧妙に過ぎて胸に這入って来ない(・。・; オボコのお雪さん,芸者のおちゃら,同性の大村,女中のお絹…とモテモテですが,「娼妓の型には色欲がある。母の型には繁殖の欲があるに過ぎない。恋愛の対象といふものは,凡て男子の構成した幻影」なのです。大村のいう個人主義はエラそうだ。ニイチェを借りて「人生の苦艱を避けて逃げるのは卑怯だ。苦艱籠めに生を領略する」って卑怯でいいじゃないの。

これまた美少年・岡田と,お廻り→金貸し末造(両者とも鬼と同様,子どもが怖いものの代表らしい)の妾のお玉の話。女中の梅がカワイイ。蛇退治の場面が象徴的です>蛇が末造,鳥がお玉でしょうか。「お玉は横着になると共に,次第に少しずつじだらくになる。末造はこのじだらくに情慾を煽られて,一層お玉に引き付けられるやうに感ずる」この辺の機微が面白い。鯖の味噌煮と雁の肉…またも洋行スレチガイのオチ(゜レ゜)

※で,まぁ,鴎外の歴史小説は感心しない。系図そのまま延々と書き写したり,武士道一直線の死屍累々展開だったりで…。